誕生日

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「まあ、俺より女の心理に詳しい青木が言うんだからそうなんだろうな。」 考えるのが面倒になって適当に合わせると、フフンと嬉しそうに笑った。 「青木は一人に絞らないのか?」 「絞りきれないんだよね~良くて、二三人かなぁ…」 「お前、絶対に刺されるぜ。」 ハハハと笑って粋がっているのか本気なのかよく分からない青木の腕を払い除けた。 「千尋ちゃんは良いよな、一途なハートで。」 「そうだな、複数なんてめんどくせー。」 「うわぁ男前だわ。」 茶化す青木を無視して、グランドに出る。 先にいた井田が、俺達に手を振っている。 「アイツもどんだけ好きなんだよ、サッカー。」 サッカーバカ、と言って青木がふぅとため息を吐く。 「でも、羨ましくねぇか?」
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