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「あ、矢野じゃん。」
荒れている俺に気付いて、隣の下駄箱から塚沢が顔を出す。
「何してんだよ?」
「いや…別に。」
思い出すだけでも腹が立つ。
「そう言えば鈴木さんに言っといたぞ。」
塚沢が浮かれた声をあげる。
何だ、その緩みきった顔は。お前は上手くいってんのかよ。
下駄箱同様、塚沢も蹴っ飛ばしてやろうかと思う。
「そう言えば矢野は誰狙いなんだよ。井田がめっちゃ探ってたぜ。」
「うっせーな、アイツ。」
人の事は良いから自分の相手見付けろよ。
「夏休みのバーベキュー、お互いに頑張ろうぜ。」
嬉しそうな顔で塚沢は軽く手を上げ、いそいそと帰って行く。
入れ替わりでやって来た青木がポンと肩に手を置いてニヤッと笑った。
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