誕生日

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「弥生が落ち込んでたぜ。」 「アイツのせいで予定が狂った。」 「うわぁ、弥生自ら撃沈だな。」 面白がっているとしか思えない青木を無視して、携帯電話を取り出す。 村田朔子からの連絡はない。 忘れているのか本気じゃなかったのか、どちらにしても癪に障って仕方ない。 「一緒に帰るつもりだったとか?」 「別に。バイトあるし帰るわ。」 「じゃ、途中まで。」 青木と並んでグランドを突っ切って校門を出る。 急いで帰って行った村田朔子。 誕生日を誰かと過ごす約束でもしていたんだろうか? だから慌てて帰って行ったのか? 「あぁまた険しい顔になってるぜ。」 青木の呆れたような声に、俺は奴の足を蹴飛ばした。
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