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「そう言えば自己紹介がまだだったな。」
馬上の女性がこんな事を切り出した。
「わしは、[騎馬乙女]武田信玄。まあ、一介の武将だよ。」
!!?
「ほら、幸村も自己紹介するといい。」
幸村!?それに武田信玄!?
「……私の名は武田信玄が家臣[烈火乙女]真田幸村だ!!」
実は俺は歴史には詳しい。
特に戦国時代はゲームや漫画の影響もありかなりの知識のつもりだ。
そして俺の記憶では武田信玄も真田幸村も男性だったはず。
これは……どうゆうことだ!?
いかん!!また混乱してきた!
とりあえずこの件に関してはスルーだ!!全力を挙げてスルーだ!!!
とりあえず落ち着くために自分の特技を披露することにした。
「信玄さんと幸村さんですか。二人とも年齢はそれぞれ23歳と18歳で合ってます?」
「!?」
「キミ、何故分かったの?」
幸村さんが驚き信玄さんが矢継ぎ早に質問をしてくる。
「俺は女性なら少し話をすれば年齢が分かるんです。いつもなら1、2歳若く言うのですがお二人とも十分若いので実年齢を当てさせていただきました。」
「へぇ~凄い特技を持っているのだな。ちなみにキミの歳は?」
「俺は19です。」
「何と!!年上であったか!!今までの無礼失礼した!!」
幸村さんが馬から降り頭を下げてきた。
「いやいや、いいよ別に。気にしないで、幸村さん。」
「私のことは呼び捨てで構わん!それより何か詫びを!!」
「幸村。その辺にしておけ。ほら、彼も困っているだろ。して、キミの名は?」
余り気が進まないが自己紹介の順番が回ってきた。
名前を呼ばれるのが苦手なのだ……。
「俺の名前は―――」
ガシャァァァァァ!!
俺の自己紹介は轟音によって掻き消され。
そして……。
先ほどまで会話をしていた二人の乙女は風の様な速さで音のした方へ駆けていった。
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