はじめの一歩

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「それじゃ、今日の授業はここまで。明日は小テストを行う。しっかり復習しておけよ。号令」 「きりーつ、れー」 やたら気の抜ける号令とともに、午前最後の授業が終わった。 「一人、飯行こうぜ」 「おーう」 「飯くったら、織部さんにノート返さなきゃな」 「・・・だったな、忘れてた」 「全く、せっかく美少女とスキンシップを取れる機会が出来たというのに・・・お前って奴は」 「うるせぇ、下半身馬鹿め」 「下半身だろうが何だろうが、自分に正直に生きる。それが俺のポリシー」 「嘘はつかない主義・・・か。羨ましいぜ全く」 まあ、俺も嘘は好かないから、悪くは思わないしな。 嘘・・・か。 暗くなりかけた心を持ち直して、佐部と購買へ急ぐことにした。 ・・・ 購買に辿りつくと、そこには、大量の生徒で溢れかえっていた。 ネクタイの色が違うからすぐに分かる。ほとんど一年生だ。 「一年生か、ラッキーだな」 「・・・お前なあ」 俺達二人、特に佐部は一年生のあいだでは有名である。 佐部の後輩の話では、俺の容姿は去年の入学式の段階で、すでに話題になっていたらしい。 まあ、規則正しいことで近所で評判の学校に、白髪赤眼の男がいたら、そりゃ、話題になるだろう。 佐部は・・・まあ、馬鹿だからな。有名になる原因が多過ぎて、語れん。
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