はじめの一歩

5/10
3人が本棚に入れています
本棚に追加
/14ページ
「あっ!佐部先輩だ」  一年生の誰かが俺達(主に佐部)に気付いた。 「やあやあ、皆さん、佐部先輩のお通りだいっ」  佐部が手を挙げて、答える。  すると、購買の前に群がっていた人ごみが、二つにわかれ。カウンターまでの道のりが出来た。  男子は多分恐怖(佐部の馬鹿さに)で。  女子は生理的嫌悪感で。  佐部の為に道が拓いた。 「ありがとーう。ありがとぉぉうっ」  やたらハイテンションで礼を言う佐部だったが、一年生はドン引きだ。  気付け、佐部・・・俺は哀しいぞ・・・。  まあ、楽に購買が使えるから良いんだが。 「おばちゃん、俺いつものやつね」 「俺も」 俺達は購買の常連客なので、こんなのでも伝わる。まあ、顔というか、容姿は初対面で覚えられたが。  佐部はメロンパンとチョコチップメロンパンと生クリーム入りメロンパン。  俺は、コーヒー牛乳とチョココロネ×3。  もはや購買のメロンパンとチョココロネは俺達の為にあると言っても、過言ではない。・・・あるか。 「今日も買えたな。よし、戻るか」 「だな」  今日も昼食が、確保出来たため、教室への足取りは軽かった。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!