はじめの一歩

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「んで、いつ行く一人?」 「飯を食ったら行くか」 「了解」 ・・・・・ 「よし、佐部行くか」 「・・・二次元て便利だな」 「ん?」 「なんでもないぞ」 「そうか、歯にチョコチップついてるぞ」 「まじかよっ!そういうことは早くいいたまえ!」 「なんで偉そうなんだよ、いいから行くぞ。チョコチップごときで喚くな」 「いやいや。マナーだろうがよ」 「何の?」 「美少女に会うときの」 「なんて言ってる間に2Cに到着だ。良かったな」 「良くねぇよ!?」 「失礼します」 「俺の話を聴けぇぇぇぇっ」 二人して(主に佐部が)騒ぎながら教室に足を踏み入れる。・・・この時点で俺は2Cの異変に気付いていた。  空気。  教室の空気が異常だ。おそらく、普通に生きてきた人間には分からないレベルで。  あくまでも素知らぬふりをしながら、佐部についていく。  佐部が何かぶつぶつ文句を言っているが、脳内会議で総スルー案が可決されたので無視。 「君が、織部さん?」  佐部が目配せした先にいた女子に声をかける。  なるほど。確かに美人だ。  派手さは一切なく。洗練された雰囲気を纏っている。  読書をする姿勢も素晴らしい。 「なにか御用ですか?」  俯いていた顔が上がり、目があった。
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