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放課後、佐部が織部の周辺のことを洗うというので、独りで帰宅することになった。
「ひとりで帰るのも久しぶりだな」
基本的に佐部と行動してるからな。
オホモダチではないぞ。
「んあ?」
ふと、今歩いているのが、今朝ノートを拾った十字路であることに気付いた。
そういえば、朝はあまり気にしなかったが、なぜノートはここに落ちていた?
織部がいじめを受けていることは、絶対ではないが、可能性は高い。
それが今朝とはまた違う考えを俺にさせる。
ノートが落ちる原因が、事故や過失では無い可能性だって有り得るのだ。
「やっぱりな」
道路を見ると自転車の急ブレーキ痕があった。それもノートを拾った近くに。それだけじゃない。
ノートが落ちていた場所までは見通しも良く、ここを歩いたであろう織部に気付かないはずがない。
故意に自転車でぶつかりにいった可能性だって有り得る。
「まあ、佐部からの連絡を待つか」
とりあえず、憶測の域を出ない内は、何を考えても無駄だ。気長に待つことにして、俺は家路に着いた。
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