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深夜1時55分。
1m位の高さの草むらに、三人の少年が隠れていた。
三人の年の頃は16、17歳位。
右側の少年は身長180cm位で、如何にも体育会系と言った筋肉質な体格に、負けん気の強そうな顔立ちをしていた。
中央にいる少年は170cm位の細身の体格で、染めた明るい茶色の髪、整った顔立ちをしていた。
左側の少年も170cm位の細身の体格で、優しい印象の顔立ちで、パッと見た目は女の子と間違えられそうな優しい顔立ちをしていた。
「なあ、やっぱり止めよ~よ。帰ろうってば。
明日、実力テストだぞ。ヒロは、大丈夫なんか?」
左側の少年が小声で、中央の少年に話しかけた。
「はあ?何でよ。俺は、実力テストなんぞ、捨てているのだよ。
つか、ありは実力で受けるもんでしょが?
俺の実力、見せたるぜっ。わはははっ!
それよりさ、噂が本当か、確かめたいじゃん。ねぇ~、シン」
「でも、匡(たすく)は可哀想だったかもな。匡は見えるからな」
シンと呼ばれた右側の少年が、匡、と呼ばれた左側の少年に気遣わしげに声をかけると、彼は盛大な溜め息をついた。
「シン…良い…ヒロって、こんな奴だし、幼稚園の時からの腐れ縁だから…
それに、こんな俺自身にも、も、慣れちったよ…」
「匡は悟ってるっつうか、諦めてるっつうか…
本っ当にヒロは、チビの頃から変わらんよな」
そう言ってシンも溜め息をつくが、張本人のヒロは二人の様子にも特に気にする事もなく、目的の事で頭が一杯らしく、口元に人差し指を当てて『黙れ』と合図をしていた。
…そして、時刻は深夜2時。草木も眠る丑三つ時に…
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