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そう言えば、俺が教育係だったー。
「お前、もし可愛い子でも手出すなよ。」
裕がからかうように釘をさす。
「出さね~よ。でも…
めっちゃ可愛いかったら出すかも(笑)」
「も~奥さんに言うぞ。」
なんて2人とも笑っている。
それは、それが冗談だと分かってるから。
そんな話をしていると、部長に連れられてうつむき加減の女の子が入って来た。
朝礼が始まり、部長が女の子を紹介する。
「今日からここで一緒に働いてもらう二ノ宮さんです。二ノ宮さん自己紹介を…。」
うつむき加減の女の子はフッと顔を上げる。キリッとした目鼻立ちで明らかに美人。その瞳に吸い込まれそうになる。
「二ノ宮響佳(ニノミヤ キョウカ)です。よろしくお願いします。」
表情ひとつ変えず、なんの味付けもない自己紹介をする。
そんな響佳の態度に駿からの印象は最悪だった。
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