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｢こんばんはー、安藤青果店でーす｣
配達先は自転車でせいぜい10分の民家だった。商品を渡し、サインと代金を受けとり、帰りも同じ道を通って商店街へと戻ってきた。
｢そうだ、みかんちゃん……｣
この時間帯にみかんちゃんがいそうな場所、といえば……
商店街のお店のどれか、特に食べ物関係だな。端から一軒ずつ確認していこう。
「肉屋、食堂、ケーキ屋、お茶屋……次は……」
｢わん、わん！｣
あ、このなき声はみかんちゃんの！どうやらあのパン屋の辺りから聞こえるみたいだ、行ってみよう。
ニャ～ニャ～ わんっ ニャ～ ニャ～ ニャ～
｢って、何ですかこれはーー！｣
路地裏にネコがいっぱい集まってるんですけどーーー！もしやこれはネコの秘密集会！？
ネコはざっと20～30匹ぐらいいた。黒、白、グレー、三毛などいろんな色のネコがいるなかで、１匹だけオレンジ色の目立つネコ……
じゃない犬だった。ちょっと珍しい全身オレンジ色の犬、みかんちゃんである。
｢ちょっと、みかんちゃん！ネコにまじって一体……｣
とその時、路地裏に面したパン屋の裏口がガチャリとあいた。そこから現れたのはなんと、トレーにてんこ盛りのパンの耳！？
……を抱えた女子だった。
｢みんな、おまたせ～……って、りんごじゃん。あんたこんなところで何してんの？｣
｢さ、さやか！？｣
みかんちゃんほどには派手ではないオレンジ色のボブヘアに、青ぷよの飾りつきヘアピン、そして『高橋ベーカリー』とプリントされたピンク色のエプロンと三角布。
そこにいたのは、私のクラスメート兼友達の、高橋さやかだった。
↓高橋さやかイラスト
羅素羅素さん(ﾓﾊﾞｹﾞｰ)宅のオリキャラをご提供いただきました！
みかんちゃんはこの３ページ後で
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