思わぬ落とし穴

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「ななななんですかこれはーーー!!!」 朝っぱらから、私は叫んでいた。目の前の光景に…… 少し時間を戻してみよう。エコロとぷよ勝負をした翌朝、私は佐々木まぐろくんといつものように登校していた。 校門をくぐり、校舎にもうたどり着くというところ。佐々木まぐろくんが、急にはっとなって立ちどまった。 「ごめんりんごちゃん、部室に忘れ物があったから取りにいってくるよ☆りんごちゃんは先にいっててくれ」 「あ、まぐろくん!部室は……」 『まず部室のカギを職員室に取りにいかないと』と私は言おうとしたけれど、佐々木まぐろくんは聞く耳持たずで走っていった。 「もう、佐々木まぐろくんってばーー」 ああもうあんなところに、佐々木まぐろくんって足が速いからなぁ。と思いつつも追いかける私。 けれども、佐々木まぐろくんはぐんぐんとスピードをあげて私との距離をあけていく。そして…… ヒュッ と消えた。 「え……ええっ?」 いやいや、「消えた」って校舎の陰に入って見えなくなったとかそんな意味ではなくて。まるでワープでもしたかのように、ふっと姿を消してしまったのだ。 「さ……佐々木まぐろくーん?」 私は、彼が消えたと思われるあたりまで近づいてみた。すると、なぜか地面の下から声が!? 「り、りんごちゃーーん……助けて~」 「こ、これは……落とし穴!?」 しかもけっこう深い。佐々木まぐろくんの身長+2~3mくらいはあるように見える。 これを助けだすのははっきり言って…… ムリだな。 「ごめんまぐろくん……私1人じゃ引き上げられそうにないから、ほかの人を呼んでくるねー」 「ああっ待ってよりんごちゃ~~~ん……」 私は穴をのぞきこむ体制をやめて立ち上がった。ここからだと体育館が近いから、朝練の人がいたら手伝ってもらおう。と考えた私はすぐに走…… ろうとしたができなかった。 「ななななんですかこれはーーー!!!」 体育館までの道のりが…… 落とし穴地獄と化してますよーーーーー!!!
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