思わぬ落とし穴

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そして冒頭の続き。 「こ、これはまさか地盤沈下……なわけないし……」 穴は体育館へ続く道だけではなく、校舎裏の一帯にばらまかれるように大量に出来ていた。なんて歩きにくい…… ……ん?あんなところに人が。どうやら落とし穴を写真におさめているようだけど、何がしたいんだろう?ちょっと話を聞いてみようか。 私は穴と穴の間をそろそろと縫うようにして進んだ。半分くらい近づいたところで、むこうも気がついたのか顔をこちらにむけてきた。そこで、私は思いきって彼女に話しかけてみた。 「すみませーん。そこで何をしてるんですかーー?」 「幽霊をさがしてるんですー」 「ゆゆゆユーレイ!!?あっ……うおわーー!」 しまった、びっくりした拍子に落とし穴に落ちてしまった! さいわい穴は比較的浅かったので自力で脱出できた。力わざではい上がったところに、さっきの人――青髪で三つ編みでメガネの女子が手を伸ばしてきた。 「ご、ごめんなさい……大丈夫ですか?」 「な、なんとか……というか、あなたはたしか同じ学年の人?」 「あ、はい、私はB組の使旧 巡(ツカモト メグル)です。あなたは……たしかA組の方ですか?」 「そう、A組だよ。私の名前は安藤りんご。で、『幽霊をさがしてる』っていうのは……一体?」 使旧さんはカメラ(それもかなり年代物に見える)で落とし穴の写真をとっていたはず。その行為がなぜ『幽霊をさがす』に結びつくんだろうか。 「そう、実はこの穴……幽霊のしわざにちがいないんです!」 「は……えええーー!?」 「ちゃんと証拠があるんです!ほら、これを見てください!」 使旧さんは一枚の写真を取りだすと、自慢気に説明を始めた。 ↓使旧巡(ツカモトメグル)イラスト わが家のオリキャラです!image=422390821.jpg
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