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「へぇ、あの後そんなことが☆」
「今朝はひどい目にあったよ……」
「まあ、2人ともケガがなくて良かったな。しかし、またエコロのしわざとは……」
放課後、私・佐々木まぐろくん・りすくま先輩の3人は今日も物理部に集まっていて、今はミーティング……ではなく、雑談をしている。
「落とし穴はすごいメーワクだったけど、エコロがまだ近くにいた、というのはある意味朗報だよね。けっきょく、『空間のゆがみ的なもの』を消す方法なんて、エコロに聞くぐらいしかないからね……」
何しろこの世界には魔法とかそんなものは存在しないはずなのだから、図書館やらインターネットやらで調べたところで、方法は見つかりっこないのだ。
なんとも歯がゆい状況だけど、とにかく今の物理部にできることといったら
1、ぷよ勝負
2、エコロ探し
ぐらいしかないだろう。
「果たしてそうだろうか」
「え?リス先輩、どういうことですか?」
「科学を志す者は、常識にとらわれていては新しい発見などできんからな。つまり、エコロから聞き出すのがすべてだと思わず、私たちで新しい方法を考えてみる、というのはいかがかな」
「な、なるほど……」
なんだか、すごく説得力がありそうだ。自分たちで方法を発見する、たしかにひとつの手であるかも……
でも、『じゃあ具体的な方法を考えてみよう』としたところで暗礁にのりあげてしまった。あんな超常現象、何をどうしたらどうなるなんてさっぱり分からないってーー!!
そして、どうやら佐々木まぐろくんもお手上げだったようで、言い出しっぺの先輩に質問をした。
「じゃあ先輩、なにかアイデアはあるんですか☆」
「うむ、あるぞ」
「ですよねー、あるわけが…………ってあるんですか!?」
「ふむ、今からその説明をしよう。まず、地上から空間のゆがみ的なものまでの高さだが……」
リス先輩はマジックペンを手に取ると、説明にあわせてホワイトボードに絵を書きこみはじめた。
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