57人が本棚に入れています
本棚に追加
路地を右に曲がり、左に曲がり。しばらく進むうち、私たちはとある看板の前にたどり着いた。
『すずらん山 登山道入口→』
「あれ?まさか裏山に続いてるの?」
すずらん山は学校の裏山で、野外実習やら何やらでちょくちょくお世話になっている場所だ。ただ
山といっても大した高さはなく、ものの30分も歩けば頂上についてしまうので、散歩コースにする人もいるくらいである。
「でも、エコロは山のなかに落とし穴をつくったりするかな……。いたずらとしてやるなら、町中でやる方がいいのでは?」
「そうでもないみたいだよ、りんごちゃん☆ちょっと上の方を見てきたけど、落とし穴はバッチリあったのさ」
「って、佐々木まぐろくんいつのまに!?」
佐々木まぐろくん、行動が早いなぁ……今のうちに山道を確認してきたのか。まあ、進むべき道がわかってよかったけど。
「じゃ、なにはともあれ……登りますか」
「おう☆」
「登山開始だ」
でも、いったいエコロは山に穴を掘って何がしたいんだろう?私はそんな疑問をかかえたまま裏山を登りはじめた。
そして歩くこと数十分。落とし穴をたどりたどった私たちは、もれなく山頂の公園にたどりついた。
「『テントウムシ公園』か、なつかしいね」
「小学校のころ、毎年遠足で来てたよな~☆」
この『テントウムシ公園』というのは、正式名称ではない。ではなぜそう呼ばれるのか?てんとう虫がいっぱいいるから……ではない。
『てんとう虫を模した、ドーム型の遊具』があるからだ。その珍しくかつ愛らしいデザインにより、ちびっこたちから絶大な人気を誇るテントウムシ遊具。加えて、山頂ならではの豊かな自然、 その他の遊具類も充実しているため、この公園は子どもから大人までみなさまがたに愛される地域の憩いの場となっているのだった。
最初のコメントを投稿しよう!