――序章。

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『実はもう保と結婚を決めていたから、見合いの話は破談にしたい。 きっと言っても無駄なので、こっちは勝手にします。 探さないでください。 九重 蝶子 』 見合いの話は流れに流れ、着々と式の準備まで進んでいたところだった。 断るタイミングを外した姉は、今更何も言えずに昨日まで流されるままに棹していた。 最近 両親ともケンカばかりだったが、まさか 家出なんて…。 「常磐坂さんになんて言えばいいんだ!」 常磐坂さん。 見合い相手の方。 いくら旧知でも、結婚を土壇場でキャンセルなんて事になれば、いろいろ問題もでてくる。 それも、他の人と駆け落ちで失踪なんて事になったら……。
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