――序章。

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「よ、祈里。おそよう」 突然、活発な声に背中を叩かれた。 わたしはハッとなった。 隣には猫目の男の子がいた。 「司…」 彼は、幼稚園からの幼なじみの住川 司。確か 同じ高校だったっけ。 「なんだ?何かあったのか?」 「はう…ううん」 わたしは笑った。 司は、それ以上は詮索しなかった。 「祈里、放課後…暇か?」 「あ…うん。何?」 司は わたしに背中を向けてスタスタ歩き出した。 わたしはその後をついていく。
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