1843人が本棚に入れています
本棚に追加
――序章。
あれは先月か先々月か――。
とある冬の、冗談のように晴れて温かい日曜日。
「えっと…、お見合い…頑張ってね」
わたしは普段見慣れない姉の正装に戸惑いながらも、笑った。
わたし、九重 祈里は何処にでもいる 特筆する事もないくらい平凡な女子中学生だ。
内気でドジで引っ込み思案で…、そんな自分が大嫌いだった。
唯一 緊張しないで話せたのは、両親と、10歳も離れた蝶子お姉ちゃん他一部くらい。
「冗談じゃないわよ。なんっで、私がお見合いなんか!」
わたしとは対象的で、ハキハキしてて気が強いお姉ちゃんは今年で25歳。
スタイルもよくて、美人で、仕事も出来るバリバリのキャリアウーマン。
最初のコメントを投稿しよう!