3491人が本棚に入れています
本棚に追加
「本当に、あそこを離れて壬生浪士組に?」
「はい。オレはあんたらの役に立ちたいんだ。……なにか不都合でも?」
「いいえ。ただ、風月の方に言ったように、もし僕たちが窮地に立たされた時、あなたは僕らのことも助けて……守ってくれるんですか?」
「…………あんたら強いんだろ?だったら守るもなにも、オレの出る幕なしでしょ」
「……それもそうですね。僕たちは負けませんので」
待機していた隊士たちと合流し、私たちは歩き出した。
隣の沖田は相変わらずの笑顔で、そこからは自信が溢れていた。
本当に彼らは負けないかもしれない。
しかし、元の歴史では敗北という二文字が彼らの末路である。
沖田に至っては、結核という病で亡くなったはず。
私はきゅっと口を結び、しかし静かに、小さく声を出した。
「でも、そんな時が来たなら───守るよ。オレの命を懸けて」
「…………それは楽しみです」
沖田はそれに愉快そうに口元を上げた。
冗談で言った質問に、私が真剣に答えたので馬鹿にしているのか、それとも、予想外の返答に興味を持ったのか。
それは彼にしかわからない。
活気づく町の中を、私たちは颯爽と歩んだ。
最初のコメントを投稿しよう!