13.

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ぼーっとしていれば、ちょうど通りかかった二人組の男──近藤と山南に声をかけられた。 日陰にいるので、余計に顔色が悪く見えるのかもしれない。 私は木の下から出て、立ち止まっている二人の下へ向かった。 「うーん、やはり良くは見えないね。医師に診せようか?」 「近藤局長、オレ自身が医師です。それに、本当に大丈夫ですから、気にしないでください」 そう言っても、近藤は心配そうな目で私を見てきた。 困ったように隣の山南を見上げれば、彼は冷めた眼差しで私を見下ろしていた。 新撰組(壬生浪士組)局長、近藤勇。 歴史に疎い私でも、唯一知っていた名が彼だ。 教科書に載っていた写真のままの人で、かなりの強面だ。 体格も永倉や原田に劣らずがっしりとしている。 しかし、外見とは裏腹に内はとても優しく、人情味に溢れている。 感情がとても表に出やすい人で、素直な人だ。 天然なところが玉に瑕といったところか。 彼は雷光によく似ている。 寛大な心を持ち、人を温かく包み込んでくれる。 「ところで、朔君はなにをしていらしたんですか?」 「……暑かったからここで休んでたんだ。…………失礼します」 「くれぐれも、幹部以外の隊士に近づかないように」 「……わかってる」 穏やかな微笑を湛えて言う山南を、近藤は気まずそうな雰囲気の中、諫めた。 彼は申し訳なさそうに私を見たが、この世界に来てから山南のような態度を私は多くされている。 慣れてはいるものの、少し寂しさを感じつつ、軽く礼をしてその場を離れた。
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