4.

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しかし、それは一歩遅かった。 私の頭に巻いていた布はあっさりと取られ、銀色の髪が姿を現した。 私は裏口の戸の前に飛び出て立ち止まると、布を取り戻そうと思って後ろの彼らへと振り返った。 しかし、そこから一歩も動くことはできなかった。 鈴を襲ったあの男たちと同じ、嫌悪や軽蔑の表情がそこにはあったのだ。 「い、異人だ!!」 私の布を取った男は、手に持っていたその布を放り投げながら叫んだ。 鈴以外のそこにいる全員が私から素早く離れ、化け物でも見るような眼差しで私を見た。 「何の騒ぎだい?」 一気に静かになった空間に、そんな言葉が響いた。 全員が声の主へと視線をやれば、鈴は「お父様!」と、他の人は「旦那様!」と叫んだ。 私は彼らのその言葉で、やってきた男がこの店の店主であることをすぐに理解した。 「旦那様。異人の盗人が店に入り込んでおりましたので、皆で捕まえようとしていたのでございます」 「お騒がせして、申し訳ございません」 男たちは私に近づくと、肩を押して跪かせた。 それを見た鈴は「おやめなさい!」と叫んで私に駆け寄ると、私を押さえている男たちに離れるよう命令した。 しかし男たちは鈴の言葉には耳を貸さず、ただ彼女の後ろにいる店主ーー鈴の父へと視線を注いでいた。 「鈴、離れなさい。この者は異人の盗人だそうだ」 「いいえ、お父様。この方は先ほどお話した私の客人にございます。決して盗人ではございません」 鈴がそう説明すれば、私を押さえている男たちは動揺しつつも、より一層力を入れてきた。
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