4.

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「きゃら……? 朔、それはどういう意味なのですか?」 「……教えない」 私はそう言って逃げるように店の中へ入ろうとした。 しかし、鈴の行動の方が一歩早く、彼女は私の着物の袖を思い切り引っ張ってきた。 私は後ろに転びそうになるのをなんとか防ぎ、興味津々な顔で私を見ている鈴を見てため息をついた。 これは答えるしかなさそうだ。 「キャラーーcharacterのここでの意味は性格。changeは変える。つまり、性格を変えるってことだ」 「なるほど……って、私がいつ性格を変えたと?!」 「だから教えたくなかったんだよ」 私は鈴に説明をしながら彼女の手をさりげなく袖から外し、逃げる準備を整えていた。 そして、鈴が納得している間に店の中へと避難し、そう叫んだ鈴の声に小さく呟いた。 店の玄関まで来ると振り返り、いまだに怒っている鈴に視線を合わせた。 鈴も、私からの視線に気づいたのか顔は怒りつつも、しっかりと目を合わせてきた。 「オレも、あんたの…………鈴のことを知りたい。傍にいるよ」 それだけ言うと、ポカンと口を開けている鈴を放置して、店の入り口にかけられている暖簾の奥へ向かった。 傍から見たら、私はいつも通りに見えただろうが、内心は恥ずかしすぎて穴があったら入りたい状態だった。 よくもまあ、鈴はこんな台詞が言えたものだ。 私もついさっき言ったのだが。 暖簾をくぐり抜けて数秒後、鈴の「ええ!!?」という叫びが町に響いたことは、言うまでもない。
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