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不快に語尾を伸ばす女のそれが弁解と呼べるかは置いておいて、一生懸命に身ぶり手振りで弁解をする彼らの滑稽さに自然と口元に笑みが出てしまった。 もちろん皮肉的な笑みだ。 しかし彼らはその笑みを許しととったようで、ほっと胸を撫で下ろしていた。 「そ、そうだ望月。今日は食べて帰ろうよ。この前良いお店見つけたんだ」 「おっ、それいいな。そうしようぜ、有栖川」 「……I left my note(ノート忘れた)。オレ取りに戻る」 「じゃあ、ここで待ってるよ」 「いや、オレはいいから行ってきなよ。……それに、今日は教授とご飯なんだ」 私が“教授”というフレーズを出すと、四人の表情が固まった。 そして私を見る様は、まるで何かを恐れているようだ。 先ほどまでは徹底して彼らと壁を作ったが、さっさとこの場を辞したく、彼らが求めているであろう言葉を投げ掛けてやることにした。 「あんたらの未来に曇りはないよ。但し、過去を変えることはできない。これからの努力次第だ」 私はそう言って、後ろの男の横をすり抜けた。 彼らが今どんな心情でどんな表情をしているかなど興味ない。 舌打ちと「教授の娘ってだけで、偉そうに」という呟きが聞こえたがどうでもいい。 私は今まで来た道を戻った。
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