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「I'm tired(疲れた)。やっぱりここは落ち着くな……」 数分間ぼーっと星を眺めつつ、先ほど私自身が紡いだ言葉を頭の中で反芻していた。 ──……過去を変えることはできない……か。何度その言葉を口に出してきただろう。 なんだか星に集中することができず、気分転換に一度プラネタリウムの外へ出ることにした。 ついでに水分でも補給しようとカバンの中からペットボトルを漁っていると、陽菜から借りた本が床へ落ちてしまった。 すぐに拾ってカバンに戻そうとしたが、ついでに少し読んでみるかという気になった。 外は完全に暗くなっていた。 空は一面雲に覆われており、本物の星を見ることは叶わなかった。 残り少なかったペットボトルの水を飲み干し、近くにあったゴミ箱に捨てるとさっそく陽菜から借りた本に目を通し始めた。 本のタイトルに苦笑しつつ目次を眺め、彼女が大好きな新撰組のページへ飛んだ。 案の定、マーカーペンがいくつか引かれていて所々コメントもしてある。 新撰組のページだけさっと一通り読み終えて巻末付録の年表を確認しようとした時、最後のページに一枚の紙が挟まっていることに気がついた。 私はその紙を広げてみた。 そこには可愛らしい文字で“もしも幕末に行けたなら”と書かれていて、その下にいくつか箇条書きがしてあった。 これはもしかしなくても陽菜のものだろう。
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