雨傘

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雨傘

降り止まぬ雨の中 ひとり傘をさして 君と歩いた道 踏み締めて歩いてる 絶え間なく降り注ぐ 雨が地上をうるおして ゆっくり流れる時間(とき) 水たまりを飛び越えた 記憶を辿って ふと顔をあげたら あのときの君に会えないかな? ひとつの傘開いて 触れたふたりの肩先 一秒止まった時間(とき) 君の手をそっと握った 青葉香る並木道 吹き抜ける冷たい風 葉は雨粒をつけて しずくがポツリ落ちてく 曇り空のすきまから あたたかい光射して 光る透明の粒 まばゆく輝き始めた かけ出す足音 飛び散った瞬間 輝く世界が広がった また君に会いたい この願い叶えて 守り続けたい 二度と君を離さない 決して来るはずない 君を僕は待っている どうか君に届け もう一度君と歩きたい 振り返ると君が 小さく手を振って 雨音の中に ゆっくりと消えてった
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