最初の歌

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『出逢いは突然…。』 いつもの様にイヤホンから聞こえてくる歌。 心にはまったく響かない。 つまらなすぎて眠気が襲ってくる。 これもいつものことか。 なんて思っているのが登校中の電車の中。 俺の名前は中咲 涼己[ナカサキ リョウキ]。 桜岡高校に通うのは2年目の俺。 電車なんて慣れたものだ。 でも女にだけは慣れないと言うか好かれない。 俺は何を考えているか分からないらしい。 そしてまたいつもの様に駅につく。 今日も空はムカつくくらいに晴れている。 「涼!おはよう。」 「…。」 「はぁ。りょーう!」 俺は驚きながら隣を見る。 「っあ!おはよう。」 そう言いながら右のイヤホンを外す。 「もっと音下げて聞けよぉ。」 またいつもの様にこいつに説教される。 こいつは同じクラスの三縞 颯[ミジマ ソウ]。 保育園からの幼なじみでもある。 「無理に決まってるだろ!」 「はいはい。分かってるよ。」
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