最初の歌

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なんだかんだこいつは俺の趣味を分かってくれる。 俺は音楽以外全くと言っていいほど興味がない。 だから女にもモテないのかもしれない。 いつもの様に教室に入る。 そしていつもの様に時間が過ぎ弁当を食べ帰るのだった。 やることも考えることも変わらない。 別にそれは苦ではなく逆に楽であった。 「涼!今日先帰ってて。」 「また千穂かよ。別にいいけど。」 千穂とは颯の彼女のことだ。 「明日はたぶん大丈夫だから。」 たぶんかよ。 なんて思いながら颯とは別れた。 いつも帰りは颯と店に立ち寄りながら帰る。 家は2軒挟んだお隣さんだ。 朝別々なのは颯が野球部に入っているから。 ただそれだけ。 そしていつもの様に家路につく。 「ただいま。」 「涼己おかえり。」 いつもの様に母親が迎えてくれる。 「飯できたら起こして。」 「もう。少しは勉強しなさいよ!」 「ん。」 とてつもなく気の入ってない返事をして部屋に向かう。 まずは音楽を爆音でかける。 それから制服をハンガーにかけて部屋着に着替える。 ベッドへダイビングしそのまま眠りにつく。
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