言葉より行動を

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  螢「どうして、そんなに嬉しそうなのですか?」 買い物中、着物の時も、寝間着の時も髪紐一つにもテンションが高かった沖田。 思わず聞いてしまった。 沖田「午前中が非番になり、午後からは、螢さんと稽古。こんなに楽しい1日はなかなか無いですからね」 そう言って笑う沖田さんに、思わぬ伏兵からツッコミが入る。 斉藤「総司は、甘味を食べて帰るつもりだろう」 螢「なるほど」 甘党らしい沖田さんは、それでテンションが高かったのか、納得。 沖田「一君に、バレてましたか」 ……斉藤と沖田は仲良しなんだな。 沖田さんの目が優しい気がする。 沖田「刀を買って甘味処へ行きますよ!」 沖田さんは嬉々としているが…… 実は刀を買うのは怖い。 疑っているにも関わらず、刀を持たせるなんて裏がありそうだ。 新八に相談したかったが……、今更か。 そんなことを考えている間に店についてしまった。 沖田「好きなのを選んで下さい」 さも自分が買ってあげるよと言わんばかりの言い方だが……土方のお金だろ? 思わず笑いそうになった。 刀選びは、重要。 しかし……買っても大丈夫であろうか。 斉藤「どうした?」 どれにも手をつけないのを不思議に思われたのか。 螢「……疑いのある者に刀を持たせたりするのが気にかかります」 裏があるんじゃないだろうか。 斉藤「買え。任務に刀は必要だ」 斉藤がサラッと言ったのもあり、今は、任務優先ということにしておこうと思えた。 分からないことを考えても無駄だ。 そう心で呟き、私は最初から目をつけていた刀を手にとった。    
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