プロローグ

4/4
前へ
/71ページ
次へ
「この電車は普通ではないんだよ。 この車両に乗っている人は君のようなごく一部を除いて、何かしらの理由で金が必要なのさ。 それでこの車両内で何かが行われるって聞かされているのさ」 周りを見渡す。 茶髪で今時のギャルのような女、鳶職のような恰好をした若いヤンキーみたいな奴など、十人くらいが乗っている。 周りが暗かったのは、どうやら疑心暗鬼になっているためだったらしい。 「冗談じゃねえよ、俺は降りるぞ」 「無駄だよ、あの駅が集合場所で出発してしまった、下りるのは、多分無謀だと思うよ」 「う……嘘だろ?」 俺はなんだか変なものに巻き込まれてしまったらしい。 うなだれ気味な俺を乗せながら、電車は暗闇を進んでいく。
/71ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加