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ツン気のある言葉
闇を切り裂いてその少女は舞い降りた。
黒衣をたなびかせ、白き刀身の刀を手に異形の前に立った。QBを守る様に。
「最初に言っておくけど私はかなり強いよ。魔女さん…逃げるなら……もう遅いか。」
クケケケケケ
標的を黒衣の少女に切り替え、異形は再び動き出す。先程、キュウベェを追い回していた速度とは段違いの速さで。
黒衣の少女にまるで殺意や恨みを持っているかの様に、不気味に大きく笑いながら
「……遅い」
その言葉の後、ヒューっと風が吹いた。
風というよりは突風にちかかったが。
クケケ…ケケケ…ケ
異形が徐々に減速しながら崩壊していく。
まるで何かに斬られた様に二つに割れながら。
少女に到達する前に、異形は消滅し、辺りも元に戻っていた。
カチンと刀を鞘に納め、静かにキュウベェを少女は見ていた
QB「…」
キュウベェは月光に照らされたその少女の美しさに言葉を失った。
こちらを見つめる真っ直ぐな瞳、月光に照らされ蒼銀に輝く髪、凛々しさとあどけなさを残す顔だち。
QB「ね、ねぇキミ、」
声を掛けた間もなく、マミが到着する
マミ「キュウベェ…無事?魔女は?」
QB「…僕は無事、魔女は彼女が…あれ?」
女は消えていた。
マミ「彼女?誰もいないわよ…キュウベェ。」
結局、その少女は見つからずにその夜は更けていった。
キュウベェはまたあの少女に会える気がすると思い、眠るのだった
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