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タクシーから降り立った俺たちの前にそびえ立つ正門と外壁、その堅牢にして重厚な佇まいは見るものを威圧する
奥に見渡せる豪奢な建物たちが今日から自分達が生活する場だと考えると、どこか場違いな所に迷い込んでしまったかの様な違和感を拭い去れない
幼稚舎から大学院までを備えた一貫校、頭では分かっていた事だが、これは想像を遥かにうわまわっている、無論全寮制なのは中等部と高等部に限り、それ以外は隣接する敷地にある様だが、となるとこの教育機関は今見えている以上の遥かに広大な土地を擁している事になる
この全てが瑠衣の叔父の所有物、今までの平穏な生活が足音を立てて遠ざかって行く様な気がした
「今日から転入の塚本です…、ええ、そうです、兄弟も一緒です」
インカムで守衛とやり取りしている最中、背後から感じる睦まじい気配、昨日の喧騒が嘘の様な永太と瑠衣の様にやるせない気持ちが込み上げる
「全くおまえら、なんで家からここまで全部おれに任せっきりなんだよ」
「え~、佐久に任せときゃ間違いねぇって永太が言うからさー」
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