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「うはー、すげぇなおまえ、どうやったらほっぺただけそんな風にヒクヒクできんだ?」
あっ、と思った時には時すでに遅し、瑠衣の口を慌てて塞ぐが本人には悪気がないので余計に始末が悪い
「何すんだよ、佐久~」
瑠衣はおれの手を振り払い興味深げに二階堂を覗き込む
「君、瑠衣君と言いましたね?気に入りました、今まで私にそんな軽口を叩く人間はいませんでしたが、もっとあなたの事知ってみたくなりました、どうです?私と親しい間柄になってみませんか?」
どんだけ上辺だけの付き合いの奴しかいなかったんだ、何がどうです?だ、気持ち悪い、頭の中で悪態をつきつつも流れが想定される内の最悪な方向へと向かっている事を理解する、絶対に阻止せねば…
「んっ?なんだ?」
首を傾げる瑠衣に二階堂の手が伸ばされる
よし、こうなったら…
ポケットの中に手を突っ込むと掴んだそれを足元にほおる
「おっ、瑠衣、飴落ちてんぞ」
こちらの意図を理解したかの様な永太の声
「んっ?おっ、ほんとだ!」
二階堂の手をすんでで交わしひょいとしゃがみ込む瑠衣、こんな時ばかりはその単純さがありがたい
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