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「うちの瑠衣に…」
瑠衣に伸ばされかけた二階堂の腕をぐいっと捻りあげる
「なっ!」
驚愕の表情が戸惑いから恐怖に変わる
「てぇー出すんじゃねぇ!」
言葉と共に繰り出された永太の手刀は見事に二階堂の首筋に決まり敢なく昏倒
「おっ?なんだ?」
飴に夢中だった瑠衣が倒れた二階堂に気づいて、俺達と見比べる
「あー、なんか気分でも悪くなったんじゃないのか」
「うわっ!大丈夫なのか?」
瑠衣はごまかす永太の言葉を真に受け心配そうな視線を向けてくる
「ああ、今、守衛さんに頼んでくるから待ってて」
永太に目配せしながら警備員室へ足を向けると
「そうだな、ここの事何も知らねぇおれたちがどうこうするより、その方がいいだろ?」
畳み掛ける様に言う永太に瑠衣は納得の表情を浮かべて感心している様だ
「なるほど~やっぱり佐久に任せとけば間違いねぇや」
可愛い弟の褒め言葉をくすぐったく感じながらも二人が歓談する様子をやはり恨めしく思う
買い出しは永太にさせようと心に決めつつ、警備員に二階堂の事を頼むと事務室の場所を聞き、案内書を手にいれた
「さあ、行こう」
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