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「さあ、これで手続きは全て終了よ、授業は明日から出席すればいいみたいだけど一応寮に向かう前に職員室に顔を出してちょうだい、場所は分かるかしら?」
出されお茶に口をつける間もなく手続きは呆気なく終了、瑠衣の叔父が大抵の事は終わらせていたのだから当然と言えば当然か…
「ええ、案内書を頂いてますから大体分かります、お気づかいありがとうございます」
「そう、備品の不備なんかがあったら遠慮なく言ってちょうだい」
「はい、では失礼します」
「ありがとな!」
景気よく立ち上がった瑠衣は珍しく退屈した様子もなく事務員に満面の笑みを向ける
「おまえ、ありがとうございますだろうが!」
ごんと音がしそうな拳骨をくらい目に涙を滲ませる瑠衣は恨めしそうに永太を見遣りながらもその言葉に素直に従う
「ありがとうございました」
「ふふ、いいのよ、いいお兄さんね?」
「おう、いいだろ!おれの兄ちゃんはすげぇんだぞ…っていでー」
瑠衣が兄自慢を始め様とした所で拳骨がもう一発
「全くおまえは、本当すいません、言葉使いがなってなくて、ほら、馬鹿な事言ってないでもう行くぞ」
言葉とは裏腹に満更でもなさそうな永太の顔は見ればだらしなく緩んでいる
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