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「おーい、聞いてんのかー?」 痺れを切らし自ら駆け寄って来る瑠衣は不満げに眉を吊り上げぶつぶつと文句を言っている 「そう怒るなって、兄ちゃんたちが仲良しなのはいい事だろ?」 永太の悪戯めいた問い掛けに少し考え込んだあと今度は困った様に眉を下げる、嫉妬の自覚はないのだろう 「ん~、そうなんだけど…、ん~っ、なんかずりぃ」 もやもやとした気持ちを掻き消したいのか、瑠衣はもしゃもしゃと頭を掻きながらだだっ子の様な事を言いはじめる あんまりいじめるのも可哀相かと思ったが、永太はおれの頬に顔を寄せながら、こそこそと何か呟くふりをして瑠衣の様子を窺っている 「あ~っ、ずりぃぞ」 ちょっと涙目に成りかけた瑠衣を見て、そのくらいにしとけと言いたかったがこれはこれで悪い気がしない自分がいるから救われない 「だから何がずりぃんだよ」 「ん~、わかった!こうすりゃいいんだ」 言葉と共に俺たち二人にどすんとぶつかってくる瑠衣、その衝撃に思わず永太と顔を見合わせてしまう 「おまえなぁ~」 ちょっと呆れたよう永太の非難の声に反省の色無くしししと笑う瑠衣、言葉で表すより行動で示す方が簡単だったようだ 「うん、これでいい」 「ったく、おまえは…」 永太は満足げな表情の瑠衣にそれ以上何も言えなかったのか、物足りなそうな顔をしつつも瑠衣の為のスペースを開け歩き始めた 「いくぞ」 3人で並んで歩くいつもの形、それがいいのか悪いのかは分からないけどもうしばらくはこのままでいさせて欲しい、神なんて信じてはいないけど不思議と祈るような気持ちで二人を見つめた
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