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「おれかお前が瑠衣と部屋を交換すりゃいいだろ」
無論自分が瑠衣と同室である事を望んではいるが、それは佐久も同じだろう
ここは公平を期するためじゃんけんで…
「出来るわけないだろ、馬鹿言うなよ永太」
呆れた様にこちらを見る佐久にそんな無理な事を言っただろうかと首を傾げると
「金持ちの坊ちゃんばかりが暮らしてるんだぞ、おれ達だけそんな我が儘が通用する訳ないだろ、この時期に入っておれとおまえが同室なだけでもよしと考えろ」
言われて見ればそれもそうか、だが瑠衣と同室になる者がどんな奴かも分からないのだから、はいそうですかと諦める事は出来ない
「けど相手が『うん』ていやー問題ねぇだろ」
軽い口調で応えた俺だったが
「力ずくでYESと言わすつもりか?」
予想に反し鋭い視線を向けてくる佐久、何がそんなに気に食わないと言うのか
「それのどこが悪い?」
「はぁ、自分より年下脅すとか瑠衣が許す訳ないだろうが」
確かに相手を庇うであろう瑠衣の姿は容易に想像できるが…
「見てない所で…」
「あいつの野生の嗅覚を甘くみてないか?」
「…しばらく様子を見るか」
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