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「ブハハハ、いやー似合ってる」 「…え・い・たー!」 ついに堪忍袋の緒が切れたのか瑠衣がぐわぁーっと頭から突進してくる 「ばっか、そんなんあたるかよ」 ひょいとかわして頭に一撃チョップをお見舞いしてやると 「うぐっ、くそー永太ずりぃぞ」 ちょっと涙目になりなが恨めしそうに睨みつけてくる、そんな顔したらさらにイジメたくなるだけだと言うのに 「どうした瑠衣、永太?」 台所から柔らかい問いかけが響く 「おー、なんでもねぇ、ちょっと来てみろよ佐久」 「あーっ、聞いてくれ佐久、永太がひでぇーんだぞ」 同時に答えるおれと瑠衣に 「なんだよ、また喧嘩したのか?」 苦笑しながらキッチンから顔を覗かせたのは俺達のもう一人の兄弟、佐久 我が家一エプロンの似合う男だ 「ブッ、なんだその頭」 「あーっ!佐久まで笑うなんて、ひでぇーな」 「いや、ごめん瑠衣、だけど永太、おまえ何したいんだよ?」 笑いを堪えつつ、おれの方に少し咎める様な目を向ける佐久、こうしていつも仲裁しつつも、大抵瑠衣の肩を持つ事に苛立ちが募る 本当は自分が瑠衣の肩を持つ方にまわりたいだけのつまらない嫉妬だと分かってはいるのだがやはり面白くない…
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