月の下で

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朝起きると、メイドの人魚が泳いできた。 「サラ様。おはようございます。」 「おはよう。」 「今日は、これからどうする予定で?」 「海に変わりがないか見回った後で、地上に行ってくるわ。地上に行く事はパパには秘密にしていてね。」 私がそう言うとメイドは「畏まりました。」と頭を下げた。 「サラ。何処へ行く?」 城を出る直前で父に見つかり呼び止められた。 「海を見回って来るわ。私もこの海の姫ですもの。」 最もらしい理由をつけると父は、感心した顔をした。 「そうかそうか。サラも大人になったな。行ってきなさい。ただし地上には上がっては、いけないよ。」 「わかった。行ってくるね。」 父の最後の言葉は聞かなかった事にして私は城から出た。
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