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「月が上った。今宵も我々の時間がやってきた。エレス行くぞ…」
「はい父上。」
俺はヴァンパイアだ。
今夜も獲物を探して地上に行く。
ヴァンパイア界と人間界を行き来するには、月の近くにあるドアを通らなければいけない。
だから夜しか、人間界に行けないし戻れないのだ。
「今夜の獲物はあそこだな。」
父が指を指した先には海に浮かぶ海賊船だった。
「父上。いつもは地上なのに何故?」
「地上の血には飽きたからな。たまには海の人間の血も良いだろう?」
ニタリと笑ってきた父に実の息子である俺でも寒気がした。
「はい。父上。」
俺達は、海賊船に乗り込んだ。
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