漆黒の堕天使

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  「どんな子だろーなー」 実は冊本は俺の前の席だ。 お陰で授業中も暇しない。 「…興味ねーし」 俺は素っ気なく答える。 「雨使ってば、またまたぁ♪」 冊本は俺の頬をツンツンした。 なんか今日冊本うるせぇ! ―――ガラッ 扉が開いて、人が入って来る。 「おおっ」 …男も女もどよめいた。 並の可愛さじゃないからだ。 俺も一瞬思考が止まった。 セミロングの漆黒の髪。 ブルーの美しい瞳には 睨まれたら動けなくなりそう。 肌の色は白く、細い手足。 華奢な体つきだが 守られるようなタイプでは おそらく無さそうだ。 そう、例えるならば 闇に生きる豹… といったところか。
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