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「なんやこれ?」
ラジオのチャンネルをカチカチとあわせ始める鉄男だが、相変わらずスピーカーからは途切れ途切れの音声と奇妙な音だけが流れる。
ガー…ガガガ…
キュイィィ…イイィィ…
途切れ途切れの音声は次第に奇妙なノイズに掻き消され、スピーカーからは甲高いノイズだけが流れ始める。
「がっ!」
ガタン!助手席の鉄男が手に持つコンビニ弁当を取り落とし、両手で頭を掻き始める。
「うがあぁ!」
次いで俺の頭に凄まじい衝撃が響き渡り、思わず両手で耳を塞ぐ。
キュイィィ…キュイィィ…イィィィ…
コオォォォ…オォォォ…オォォ…
「うがああああああああああああああ!」
どちらの声かも解らぬ絶叫が車内に鳴り響き、体の自由を奪う程の頭痛と朦朧となる意識の中、俺は確かに誰かの声を聴いた気がした。
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