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次第に大きく、地を揺らす咆哮にも似た足音。迫り来るは人外の者達。
「全軍突撃ぃぃ!本土を守れ!その身が朽ち果てようとも祖国を蹂躙させるな!!!」
その言葉を待っていたかの様に、男達は走り出した。雄叫びを上げて、自身に纏わり付く恐れを払拭するかの様に。
皆が明日を捨てながら、明日の未来を願っていた。
悲鳴と銃声に怯むこと無く迫り来る足音達。彼等には恐怖の概念など無く、有るのはただ食欲を満たすだけの本能。
次々に肉塊となる仲間達の横で、俺は銃口を向ける。
この一匹が何人の未来を奪うか想像し難い。人の体を一飲みにするであろう醜悪な口元に鉛を打ち込んだ。
「うああああああああああああああああああ!!!」
人よりも巨大な身体で、とめどなく迫る者達に弄ばれる。
身体を瞬く間に啄まれ引き裂かれながらも、俺は引き金を引き続けていた。
脚や腕が奴らの巨大な口から胃袋に納められて行く。
「があ゙あああああああ゙あ゙!!!」
薄れる意識の中で見たものは、幻想か?幻か?
化け物達を更なる暴力で駆逐するのは、後方より出で立ち夕日に照らされた空を覆う程の鉄の塊だった。
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