24人が本棚に入れています
本棚に追加
/162ページ
『皆さん!助けに来ました!安心して下さい』
『馬鹿・・・、これもう部隊全滅だろ?間に合ってねぇよ』
秒速で撃ち込まれる鉛玉が次々に化け物を肉片に変えていく。
『数が多過ぎる・・・、ヒロトさん!お願い!!』
『任せろ!』
上空から飛来する鉄の塊は、日の光を背負いながら化け物達の頭上に降り立った。
着地と同時に肉片を撒き散らしながら、鉄の塊は手にした長い刀を振り下ろした。
『ちょっ!前に立たないで下さい危ない!』
『おい撃つなよ!!援護頼む』
二足歩行をしながら化け物の中を切り開く鉄。
一降りで2~3体の化け物を見る見る駆逐していく。辺りには血と臓物が飛び交い、化け物の悲鳴か雄叫びが鳴り渡る。
『ヒロトさん出過ぎですよ!援護間に合いませんから!』
───刀がもたないな
『時間は!?』
『残り時間5分を切りました!駆け付けるまでにブースタ三本使いましたから』
───くそ!後少し早ければ。
『離脱する!ナパーム弾装填、号令を待つな!ぶち噛ませ!』
『了解!!!』
日が沈みながら辺りを闇が埋め尽くす頃、一筋の光が巨大な火柱となって立ち昇る。
広い大地に一陣の風が吹き荒れて、失われた命の怒りや無念を遥か遠くに吹き運ぶ。それでも周りを覆う黒煙をはいつまでも立ち上り続けた。
最初のコメントを投稿しよう!