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「ヒロト君は腕を上げたな・・・。九条くんにも退けはとらない数値だ」
幸村は報告書に目を通しながら、そこに書かれた内容に目を見張った。
「幸村さん、誉め過ぎですよ」
「いや、事実だよ・・・既に彼無しではオオタカヤマ作戦は成り立たないだろうな」
幸村の言葉に、彼の側に居た部下は目を丸くしていた。
「彼を、作戦に参加させるおつもりですか?」
「木田君・・・。きみは彼の作戦参加に不満なのかい?」
木田と呼ばれた部下は、幸村から視線を反らすと、罰悪く俯いていた。
「すみません・・・、幸村副指令。いち軍人が国家の作戦に口を挟むつもりは・・・ただ」
「ただ?」
木田は僅かに間を置くと、上官の表情を伺ながらも、意を決した様に口を開いた。
「彼等はまだ若すぎます・・・。あの子達の存在は我々が守るべき未来そのモノですよ!」
「・・・」
「彼等を犠牲にして、未来の日本帝国の礎とするなど・・・」
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