3月9日、昼

2/3
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
有言実行。書いたからにはやらねばならない。 私はパソコン横のジュースの最後の一口を一口すすった。 さて、どこから手をつけよう?まずは多すぎる服を整理しようか? そう考えてソファから腰を浮かしかけたその時、突然低い音が近づいてきた。 大量の雪が三角屋根を滑り落ちる音にどこか似た地鳴り。 背筋をゾワリと嫌な予感が走る。 その音を認識した次の瞬間に、足の裏から不自然な振動を感じた。 (地震だ!) 窓枠がガタガタと鳴りだし、カーテンがゆさゆさと揺れる。 大きな横揺れだった。小さな震動は日常茶飯事だが、これ程の揺れはほとんど二年ぶりだ。 しかしその揺れは今までの経験から言えば、直ぐさま避難が必要と思えるほどではなかった。 二年前に経験していた震度4と同じくらいだろうか。ならばこの部屋は大丈夫だろう。 『地震なう!!』 そんな状況でも案外冷静なもので、私はその揺れが収まるのを待たずにコメントを書き込んでいた。 友人たちのコメント欄にも「地震」の文字が踊っている。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!