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地震の波はすぐに翳りを見せた。
それと同時にテレビの電源をオンにする。
ちょうど昼のニュースの時間だったらしく、ニュースキャスターの頭の上には地震速報の文字が並んでいた。
『盛岡大丈夫?』
一言コメントに地元の友人からの返信がついた。
『地震なう!とか言えるくらいには大丈夫』
返信を返し、ふと思い立って携帯電話に手を伸ばす。
きっと北海道にある実家で、家族も心配しているに違いない。
履歴からつい前日にかけたばかりの母の携帯電話に電話を掛けようとしてみた。
しかしどうやら皆同じ考えだったらしく回線が混んでいて繋がらない。
仕方なく家族全員をCCに指定してメールを送ることにした。
『なんか地震来たけどこっちは大丈夫だったよ(・ω・)』
…すこし短いが、無事は伝わるだろう。
特に被害もなく『いつもよりやや大きめの地震』は終わった。
また日常に戻って私は一ヶ月後に控えた引っ越しのために全力を尽くさなければならない。
携帯電話を閉じてからジュースに手を伸ばす。
しかし持ち上げてみればそれはすでに空っぽだった。
私は小さな舌打ちを一つ鳴らしてソファーから立ち上がった。
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