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「お待たせ!」
私が待ち合わせ場所のカフェで暖かいココアを啜っていると、およそ一ヶ月ぶりに会う友人がひょっこりと現れた。
一ヶ月ぶりとは言ってもそう何か特別変わったわけでもなく、いつもと同じ見慣れた友人の姿だった。
「いや、まだ着たところだよ。何か注文してきたら?」
「うん、そうする」
まだ半分以上残っているココアを軽く持ち上げて示すと、友人は私の向かいの空席に鞄を置いて注文カウンターへと向かった。
盛岡の3月はまだ寒い。
バスで来た友人だが、それでも外にいるだけで寒さは身に染み込んでくる。
ここまで歩いてきたわたしにもココアの暖かさが心地よく感じられる。
「お待たせー」
案の定、戻ってきた友人の手にしている飲み物は暖かい紅茶だった。
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