プロローグ

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最初は気にも止めなかった。 だって、ここはこの高校の生徒皆のものだから。 …けど、さっきから、その男子がずっと、私を見ている。 視線が気になり、ちらっと盗み見ると、目があってしまった。 『…なぁ…』 『…なに?』 『あんた、いつもここに来んの?』 『…そうだけど…?いつもこの時間帯に、屋上に来るわ。』 『へぇ…』 『…だから?』 『いや…俺もいつもここに来んだよ。ただいつもは時間帯が違うから、会わないけどな。今日は、あいつらから逃げるためにここにきた。』 『…あいつら…?』 誰もいないじゃない…と言おうとしたとき、あいつが、校庭に向かって指差した。 .
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