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土方が行灯の明かりの中で文机に向かっていると、無遠慮に開かれる襖。そんな事をするのは一人だけだ。
「……何の用だ?総司」
振り向くと、そこには予想通りの人物が立っていた。
何故か枕を抱えている沖田は、悪びれも無く笑う。
「土方さんと一緒に寝たくて、来ちゃいました」
「来ちゃいました、じゃねぇよ。ガキじゃねぇんだ、一人で寝れんだろうが」
「いいじゃないですか、たまには。まぁ、土方さんが嫌だって言っても勝手に寝ますけどね」
既に敷かれている布団の中へ、いそいそと入り込む沖田に土方は浅い息を吐いた。
こうなった沖田には、何を言っても無駄だと土方は嫌と言うほど理解している。
「ほら、土方さんも寝ましょうよ」
「……ったく、仕方ねぇな」
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