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律動に合わせて土方の腰が揺れる。快楽に汗ばむ肌から匂い立つような色香を放つ。
最初は処女の乙女のように恥じらいを見せる土方だが、一度快楽の波に流されてしまえば何とも淫らで艶やかな姿を見せる。
「ぁは、あ……っ!」
土方の片足を持ち上げ、より強く結合を深め奥を穿つ。
土方は喉を仰け反らせ欲を放った。それと同時に内部を強く締め付け、風間はそれに眉を寄せて土方の中に欲を迸らせた。
流れ込んで来る熱い欲に土方は身体を震わせ、荒い呼吸を繰り返す。
「……歳三、やはり貴様は美しい」
「……っあ、ぁあ……!?」
風間は頬を流れる汗を拭い、まだ足りぬと土方の内に留まったままの自身をゆるりと動かした。
欲を放つ敏感になっている土方の身体はすぐに反応するが、強すぎる刺激に土方は嫌だと力無く首を振る。
「まだだ……まだ貴様を味わいたい」
「はぁ……ぁ、……ま、待て……!」
風間は聞く耳を持たず、土方の胸元に顔を寄せて赤く勃ち上がっている突起に歯を立てた。
ビクリと身体を揺らしながらも、土方はどうにか風間を引き離そうと肩を押す。
「やめろって……、こらっ!」
「……往生際が悪いぞ?」
「人の話は最後まで聞けよ!……お前が満足するまで抱かれてやるけど、その前に言いたい事があるんだ」
「なんだ?」
先を促す風間の言葉に土方は笑み、彼の耳元に唇を寄せた。
「あけましておめでとう。今年もよろしくな、千景」
風間は瞳を見開く。確かに「年は明けたな」と話はしたが新年の挨拶は交わしていなかった。
何とも律義な土方に優しい笑みが零れる。
「ああ、あけましておめでとう。俺の方こそよろしく頼むぞ、歳三」
土方はそれを笑みで応え、互いに唇を重ね合わせた。
今年も来年も……ずっとずっと、一緒に生きて行こう。
笑って、泣いて、怒って……。楽しい事も悲しい事も、何もかも全て共有して――――。
――どうか、良い年になりますように。
終
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